忙しい日に作ったテキトー牛丼が、まさかの大成功。
和牛と間引き玉ねぎが生んだ、小さな事件の話。
* * *
和牛を買った。
私は牛肉をあまり食べないのだが、旦那が好きなのでたまに買う。
その「たまに」のタイミングが来た。
お安くなっていたのだ、結構いいお肉が。
何を作るかは後で考えればいい、とりあえず購入。
次の日、玉ねぎを間引いたものだという野菜を見つけた。
見た目はミニミニ赤いネギ。
根元がちょこんと球根みたいになっている。
この二つが揃ったら、そりゃもう浮かぶだろう。
——牛丼である。
よりによって、めちゃくちゃ忙しい日に作ることになった。
せっかくの和牛だが、あの玉ねぎは「早く使え」と言わんばかりの顔をしていたのだ。
適当に肉を炒め、適当に玉ねぎを洗い、適当に味をつける。
もはや料理というより作業である。
名付けて、テキトー牛丼。
さて、お味はいかに。
旦那が先に食べた。
どうやら、すごく美味しかったらしい。
私はというと、牛丼の味など気にする余裕もなく、そのまま作業に没頭。
ようやく食べたのは、すっかり冷めきった頃だった。
フライパンには、もう四分の一しか残っていない。
……おい。
「食べ尽くし系旦那、一歩手前だよ?」
そう言いつつも、ハイパーな忙しさに疲れている旦那を労う。
生卵を落として、ようやくありついた牛丼はもちろん
———「うまっ‼︎」だった。
食べ尽くされかけたフライパンが、その美味さを証明していたのだから。


