パクチーが食べられない私にとって、エスニック料理は長らく“憧れの存在”だった。
でも最近、そんな私を救ってくれた料理がある。
それが「スパイス料理」だ。
* * *
インド料理、パキスタン料理、スリランカ料理など…。
多種多様なスパイス料理のいいところは、「パクチー嫌いにも優しい構造」だ。
これがタイ料理などなら話が変わってくる。
パクチーを入れて完成する料理が多い気がするのだ。
そうでないと、どこか物足りない。
だが私は、パクチーを入れたくても入れられない。
遺伝子がそう言っているからだ。
「パクチーをのせられたら、もっと美味しいんだろうな」
あの緑の草を食べられる人々へ向ける、羨望のまなざし…。
そんなむなしい食事は御免だ。
自然とエスニック料理とは疎遠になって久しい。
憧れの「バインミー」は、ブームから数年経つのに、まだちゃんと食べられていない。
そんな私の目の前に現れたのが、パクチーをのせなくても美味い料理たち。
手を差し伸べてくれたのは、スパイス料理だった。
この料理のいいところは大きく分けてふたつ。
まず、ピクルスやチャツネなど、つけ合わせるものがいくらでもあることだ。
味変が無限に近いのは本当にありがたい限りだ。
そして、何より物足りなさを感じにくい。
スパイス料理は、油の多いガッツリとしたものでなくても、満足感を得られる。
それゆえに、「パクチーが食べられればなぁ」なんて考える隙がないのだ。
私にとっての最適解は、どうやらこちらだったようだ。
「スパイス料理」
皿の上の無限の可能性——
今度手始めにスリランカ料理屋に行ってみたいと思う。
家でビリヤニを作って友人に振る舞うのも良い。
家族じゃなく、同い年くらいの友人を選んだ理由。
それは、「若い人の方が、ビリヤニはウケが良さそうだから」だ。
家族には、まぁ…内緒である。

