今年のゴールデンウィークは、あえて遠出をしないことにした。
せっかくなら、少しだけ親孝行らしいことをしてみよう。
そんな気持ちで実家へ向かった日の話。
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ゴールデンウィークは遠出をしないと、
去年から心の中で決めていた。
ここ数年、毎回どこかへ出かけていたのだが、
結局あとから疲れや後悔ばかりが残っていたからだ。
それなら今年は、旦那を連れて実家へ遊びに行こうと思った。
せっかくだから、日頃の感謝も込めて、両親があまり食べないような料理を作ることにした。
何を作ったのかって?
そりゃあ、ビリヤニですよ。
皆さん、「何のことやら」でしょうが。
絶対に両親が自ら食べる機会はないもの。
そして、私自身が最近「美味しいな」と思ったもの。
そんな料理を食べてみて欲しかったのだ。
実家に帰るなら、自分で作ればいいじゃないか。
そう思い立ったのである。
圧力鍋でカッチ式風に作ったのだが、思いのほか時間がかかった。
そのせいで、作った本人である私(と旦那)は、結局食べずに帰宅することになった。
ちなみに、うちの親はシナモンが少し苦手だ。
事前に確認したところ「大丈夫」とは言っていたものの、内心ちょっと不安ではあった。
そんなことを考えながら帰宅していると、親から連絡が来た。
「結構美味しかったよ。醤油かけても良かった」
どうやら、両親の健康を考えて少し薄味にした結果、
和風調味料が追加投入されたらしい。
一応、ライタ風の付け合わせまで用意していたのだが、
そちらはあまり活躍しなかったようだ。
まあ、美味しかったならそれでいい。
結局、一番大事なのはそこだからね。
本格的に作ったビリヤニは、
ほんの少し“和風寄り”に調整されながら受け入れられたらしい。
料理というのは案外そういうものなのかもしれない。
世界中で同じ料理が少しずつ違う形になっているのも、
きっとこういう小さなズレの積み重ねなのだろう。
料理って、面白い。
……などと、ビリヤニに醤油をかけたという話一つで、
また色々考えてしまう自分がいる。
とはいえ、ここ数年のゴールデンウィークの中では、
ある意味、一番有意義な時間だった気がする。


